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【“報酬”の定義が明確化】厚生労働省からの通知による改定ポイント

今回は6年前、平成30年7月30日に出された「通常の報酬」、「賞与に係る報酬」、「賞与」の取扱いに関する通知について、わかりやすく解説していきます。給与や賞与の管理に携わる方にとって大事な内容なので、ぜひ確認してみてください。

はじめに

本通知により、社会保険料の算定における「報酬」の概念がより明確化されました。

社会保険料は、従業員の「報酬」を基に算出されます。そのため、「報酬」に何を含めるのか、という点が、社会保険の手続きにおいて非常に重要なポイントとなります。この通知では、特に「通常の報酬」、「賞与に係る報酬」、「賞与」という3つの概念について、より具体的な説明が加えられました。

具体的に何が変わったのか?

大きく分けて2つのポイントがあります。

ポイント①

通知にいう「通常の報酬」、「賞与に係る報酬」及び「賞与」は、名称の如何にかかわらず、二以上の異なる性質を有するものであることが諸規定又は賃金台帳等から明らかな場合には、同一の性質を有すると認められるものごとに判別するものであること。

①については、報酬の名称にかかわらず、その性質によって、分類されることが明確にされました。

賃金台帳や諸規定からそれぞれの性質を判別し、同じ性質のもの同士で区分することが必要となります。これにより、たとえ手当の名前が違っていても、性質が同じであれば同じグループとして扱うことが求められます。

ポイント②

通知にいう「賞与」について、7月2日以降新たにその支給が諸規定に定められた場合には、年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月又は9月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、賞与に係る報酬に該当しないものとすること。

②については、新しく手当を新設した場合、すぐに「賞与」として扱うのではなく、一定期間は様子を見ることになりました。具体的には、次の標準報酬月額が決まるまでは、「賞与に係る報酬」として扱いません。

通知の目的

厚生労働省が発表したQ&Aによると、この通知の目的は、企業が社会保険の手続きをより正確に行えるようにすることです。従来の通知の内容をより具体的に示すことで、誤った手続きを防止し、社会保険の運用を安定化させることを目指しています。

適用日と周知期間

この通知は、発出から半年間の周知期間が設けられています。そのため、企業は適用日(平成31年1月4日)以降に提出される届書から新しい取扱いを適用する必要があります。ただし、適用日前に受け付けた届書については、特に見直す必要はありませんのでご安心ください。

まとめ

この変更は、一見難しく感じるかもしれません。ですが、簡潔にお伝えしてしまうと「支給した報酬の中身をしっかり見て判断しましょう」ということになります。これにより、より公平で正確な報酬の扱いができるようになります。皆さんの会社で、どのような影響があるか、ぜひ一度確認してみてください。


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