厚生労働省は、昨年11月のフリーランス新法施行を受け、業務委託などで働く個人事業主（フリーランス）の「労働者性」に関する判断を積極的に行う方針を打ち出しました。
全国の労働基準監督署には、「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」が設置され、相談をもとに企業への立入調査が実施されます。調査で割増賃金の不払い、違法な時間外労働などの違反が確認された場合、是正勧告が行われます。
労基署に相談窓口
近年、フリーランスとして働く人々が増える中、実態は労働基準法上の労働者に該当するにもかかわらず、法による保護を受けられていないケースが問題視されています。これに対応するため、全国の労基署で平日8時30分～17時15分の間に相談を受け付けています。相談内容は、割増賃金の不払いや違法な時間外労働のほか、有給休暇の未取得、労災保険の未適用など、多岐にわたります。
具体的な事例
これまでに労基署が処理したフリーランスに関する申告事案では、建設業の一人親方や宅配ドライバーといった業種が目立っています。こうした方々が、実態として労働者である場合、その環境改善が求められています。また、厚労省は企業側に対し、フリーランスを活用する際に指揮監督下で働かせていないかなど、法令遵守を求めています。
まとめ
フリーランス新法施行を受け、労働者性の適切な判断と労働環境の整備が企業にとって一層重要となっています。フリーランスを活用する企業は、自社の労務管理体制を再確認し、指揮命令関係の有無や法令順守を徹底しましょう。一方、フリーランスとして働く方々も、自身の働き方を振り返り、必要に応じて相談窓口を活用することが大切です。