厚生労働省は、今年4月から段階的に施行される改正育児介護休業法に関する通達を出しました。本日は、その改正内容と実務対応のポイントについて解説します。
事業主の義務 (10月以降の新措置)
改正法では、事業主に対し、以下の5つから2つ以上を選択し、その措置を講じることが義務付けられます。
- 始業時刻等の変更
- テレワーク等(10日以上/月)
- 保育施設の設置運営等
- 養育両立支援休暇の付与(10日以上/年)
- 短時間勤務制度
また、テレワークの定義も拡大され、「情報通信技術を利用しない業務」も対象となることが明確化されました。
養育両立支援休暇の補足
この休暇は、年間10日以上付与し、用途を限定せずに利用可能となります。例えば、配偶者の出張時に、保育所へのお迎えのために時間単位の休暇取得が可能となります。なお、基本は1時間単位で取得可能ですが、労使協定で業務の性質による時短単位での取得を対象外とすることも可能です。
失効年休の積立活用が可能に
今回の通達では、失効した年次有給休暇を養育両立支援休暇に充てることが可能であると明示されました。これによって一層、従業員が仕事と育児を両立しやすい環境が整います。
まとめ
改正育児介護休業法の施行により、企業は就業規則や労使協定の見直しが求められます。養育両立支援休暇を選択した企業は、休暇の取得ルールを整備し、従業員に対する周知を徹底する必要があります。また、今回の改正によって、テレワークの適用範囲を再確認し、柔軟な働き方に対応できる体制も整えていきましょう。