高年齢従業員の安全対策はしていますか?転倒災害は年々増加しており、特に50歳以上の従業員では骨折などの重傷が多発しています。そして、60歳以上の女性が全体の30%を占め、深刻な問題となっています。さらに、転倒による平均休業日数は約48.5日と長く、従業員と事業者の双方に影響を及ぼします。以下に、よくある転倒原因とその対策、骨折予防対策や支援制度のご紹介をします。
よくある転倒原因3つとそれぞれの対策
- 滑りによる転倒:凍結路面やウェットエリアには防滑マットや滑りにくい履物を使用する。油・水・洗剤は即時清掃し、乾燥後に通路を開放する。
- つまずきによる転倒:通路や作業場の凹凸や障害物を除去し、駐車場の車止めを「可視化」する。電気コード類は整理し、引き回しルールを設定する。
- 身体機能の低下による転倒:転倒予防のため、職場で簡単にできる「3分エクササイズ」や予防プログラムを導入する。
骨折予防対策 – 高齢従業員の健康サポート
- 骨粗鬆症の予防:市町村の「骨粗鬆症検診」を積極的に受診する。
- ロコモ(※)予防:厚労省が実施している「毎日かんたん! ロコモ予防」プログラムを活用し、日常的に運動を取り入れる。
※ロコモティブ症候群の略称。運動器の障害や衰えにより歩行困難などの要介護になるリスクが高まる状態のこと。
支援制度の活用
エイジフレンドリー補助金:高年齢従業員の転倒防止措置(防滑床材・滑りにくい靴等)の導入費用を補助する。
まとめ
転倒災害は高齢従業員に大きな影響を及ぼします。事業者は作業環境の整備や健康支援、支援制度をうまく活用し、安全で働きやすい職場をつくりましょう。