厚生労働省と文部科学省が公表した令和7年3月卒業予定者の就職内定状況(令和6年12月1日現在)によると、大学生の就職内定率は84.3%(前年同期比▲1.7ポイント)となりました。また、短期大学は65.2%(前年同期比▲1.5ポイント)で、大学等(大学・短期大学・高等専門学校全体)は83.1%(同▲1.7ポイント)、大学等に専修学校(専門課程)を含めた場合は82.0%(同▲1.6ポイント)と、全体的に微減傾向が見られます。
第二新卒の採用が活発化
就職内定率は微減したものの、新卒採用市場は引き続き売り手市場が続いています。その中で、新卒入社から3年以内に転職する「第二新卒」の採用意欲が高まっています。
エン・ジャパンが実施した「若手人材の採用」に関する調査(対象企業300社)によると、第二新卒を採用したい企業は63%にのぼり、過半数の企業が採用に積極的であることが分かりました。
第二新卒の採用が進んでいる背景として、以下の点が挙げられます。
- 人手不足により、採用予定人数を満たせない企業が多い
- 早期離職に対する企業の抵抗感が薄れている
- 社会人としての常識やビジネスマナーを習得済みで即戦力になりやすい
特に大企業では、即戦力となる第二新卒の採用を進める動きが顕著です。
人手不足への対応
近年、多くの企業が新卒採用者の初任給引き上げや労働環境の改善を進めるなど、人材獲得競争が一層激しくなっています。特に、労働人口の減少に伴い、優秀な人材の確保が企業経営の大きな課題となっています。そのため、自社の採用計画を見直し、第二新卒やキャリア採用の活用、柔軟な働き方の導入など、多様なアプローチで人材を確保することが求められています。企業の持続的成長のためには、採用戦略の柔軟性を高め、魅力的な職場環境を整えることが不可欠です。
まとめ
令和7年3月卒業予定者の就職内定率は前年より微減したものの、引き続き売り手市場が続いています。また、第二新卒の採用意欲が高まっており、人手不足を補う重要な人材として企業から注目されています。今後も企業の採用戦略の柔軟な対応が求められる中、採用競争の激化にどのように対応するかが需要なポイントとなるでしょう。