本日は「年次有給休暇の取得促進」について取り上げます。10月は厚生労働省が定める「年次有給休暇取得促進期間」です。従業員の健康維持や働き方改革の推進に欠かせない大切な制度について、一緒に確認していきましょう。
年次有給休暇取得促進期間とは
厚生労働省は毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」と位置づけ、広報や啓発活動を実施しています。年休は心身のリフレッシュや生活の質の向上に大きく寄与するものであり、働き方改革においても重要な位置を占めています。現在の取得率は約65%にとどまっていますが、政府は2028年度までに70%を目標としています。企業としては、この促進期間を契機に積極的な取組みが求められます。
年5日の年休取得義務と罰則
2019年4月の労働基準法改正により、年休が10日以上付与される労働者には、年5日の有給休暇を確実に取得させる義務が企業に課されました。
対象者:
- 雇用形態を問わず、年休が10日以上あるすべての労働者
未履行の場合:
- 30万円以下の罰金の可能性あり
そのため、年休管理簿による正確な記録や、取得状況の定期的な確認が不可欠です。
年休取得を進める具体的な方法
- 計画的付与制度の活用
あらかじめ年休を計画的に割り当てることで、業務の混乱を防ぎつつ取得を促進できます。 - 時間単位年休の活用
必要に応じて短時間での利用ができるため、柔軟な働き方につながります。
職場環境の整備の重要性
年休取得を進めるには、職場に「休みやすい雰囲気」をつくることが大切です。繁忙期を避けた取得時期の調整や、管理職への方針徹底、業務を事前に割り振る体制を整えることで、取得を妨げる要因をなくしていくことができます。こうした取り組みは、従業員の健康維持だけでなく、モチベーションの向上、定着率の改善、企業の魅力強化にもつながります。
まとめ
年次有給休暇は、働く人の健康と生活を支える大切な制度です。企業としては、単なる法令遵守にとどまらず、円滑に取得できる環境づくりに積極的に取り組むことが求められます。10月の「年休取得促進期間」をきっかけに、持続可能な働き方の実現に向けた一歩を踏み出していきましょう。