労働安全衛生法等の改正に伴い、令和9年1月1日から、個人事業者の業務上災害について労働基準監督署長への報告を義務付ける制度がスタートします。この運用をまとめた通達が、本年6月24日に発出されましたのでご紹介します。
特定注文者等の報告義務
報告義務を負うのは、直接仕事を依頼した注文者(特定注文者)や現場を管理している事業者(災害発生場所管理事業者)など(以下「報告主体」)です。個人事業者が業務上の負傷や疾病により死亡または4日以上休業したことを把握したときは、報告主体は遅滞なく労働基準監督署長へ電子申請により報告しなければなりません。また、個人事業者側にも、業務上災害により休業したときは、報告主体に対し遅滞なく所定の事項を報告する義務があります。この報告を行った個人事業者等に対し、報告主体が取引停止などの不利益取扱いを行うことは禁止されています。なお、本報告義務は災害防止上の責任とは直接関係がなく、罰則は設けられていません。
報告義務が生じる
「災害の発生を把握したとき」とは通達では、以下のいずれかに該当する場合が「把握したとき」に含まれると示されました。
- 個人事業者から報告を受けた場合
- 報告主体が災害発生を現認した場合
- 被災者の救助や救急搬送があったことを把握した場合
そのため、本人からの報告がなくても、これら別の方法で災害の発生を把握している場合には、報告義務を負うことになります。
おわりに
個人事業者(フリーランス等)に業務を発注している企業や、現場を管理する立場にある事業者は、施行に向けて社内の報告フローや電子申請の体制を整えておく必要があります。特に「把握したとき」の範囲が本人からの報告に限られない点は、実務上見落としやすいポイントですのでご注意ください。
